クトゥルフ神話TRPGが流行ったわけ

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大概の皆さんはご存知であろう、クトゥルフ神話TRPG

めっっっっちゃ流行ってますね

イエローサブマリンの年間売り上げランキングTRPG部門でも堂々一位を飾っていますし

新作出てない時はだいたい彼が一位です。

拙著ピカレスクロマンTRPG、ありがたいことにイエローサブマリンさんの週間ランキングや、Amazonの売り上げランキングで、最高2位になることができたんですが……どんなに勢いが良いときでも1位にはなれませんでした……なぜか……

両方とも1位にクトゥルフ神話TRPGがいたから

つよい……なんでこんなくっそ高いのに……こんなコンスタントに売れ続けてるんだ……

もちろん、ただルールブックが売れてるだけじゃなくて、今のところ、日本で一番遊ばれているTRPGと言っても過言ではないでしょう

じゃあ、なんでクトゥルフ神話TRPGこんなに流行ったの? という話なんですよ

一番、思い浮かべる理由としては「リプレイ動画が流行ったから」あたりでしょうか。

これは半分正解、だと思います。

逆に、CoC以外でリプレイ動画があげられたとしても、ここまで流行らなかったと思うんですね。

なぜか、ということで、自分なりに真面目に考えたところ、それなりの結果が出たので、まとめてみたいと思います

①インストール量がめちゃくちゃ少ない

クトゥルフ神話TRPG(以下CoC)からTRPGに入った人は少なくないと思います。かくいう僕もその一人です。

個人的に、CoCはTRPGを始めるのに最も適したゲームシステムではないかと感じます。

先ほど、CoC以外でリプレイ動画があっても流行ってなかった、という答えにも繋がってくるんですが

そもそも、TRPGという遊びが非常に難解であるんですね。

この記事を読んでる時点でそれなりにTRPGの楽しさは知っている方が大半だと思います。

では、冷静に考えていただきたいんですが……目の前にTRPGのことを全く知らない人がいたとき口頭でTRPGの面白さを説明できますか?

TRPGって結構代わりの効かない独特な遊びだと思うので「××みたいな」というのも伝え辛い。

まずもって、TRPGという概念の説明から必要です。

そして、人間は全く新しいことを説明されたときに「一割」ぐらいしか関心を持てません。

新しいことを伝えようと思ったときに、耐えられる情報量が決まっているんですね。

では、今からTRPGの概念を伝えようとしたときに、必要な情報量が「80」ぐらい必要だとしましょう。なんとかして「80」を詰め込めました

目の前のお友達はすでにあっぷあっぷです。あと「20」ぐらいしか余裕がありません。

先ほど、CoC以外は流行らなかった、と言いましたが、理由はここです。

ではここで試しに

「君の分身となれるキャラクターは、アルフィ、フォイシー、クルッセオ、アンドロ、エンジ、ディアボロ、それに」

「世界はモノソード、そしてエゴランスィーが生み出したドゥオを操ることで超人的な力を得る」

「使えるジョブはコロッセオと」はいアウトーーーー

もうキャパオーバーです。余裕で残りの「20」越えました、どーんと溢れました。

この耐えられる限界量を越えたとき、人はスッと関心を失くします。

動画を見ていたならそっと閉じますし、人の話を聞いていたら「あ、うん……ありがとう」と気まずい空気が流れます。

「わけわからん単語だからだろ? ヒューマン、エルフ、ドワーフとかなら抵抗ないやろ」とか思うかもしれませんが、ファンタジーに知識がない人から見たら同じです。エルフとかドワーフとかの単語は、今あなたが読んだ上の適当な例を見たときと同じ感覚を抱きます。

TRPGを始めようと思ったときに、残りの「20」を如何に溢れさせないか、が鍵になるわけですが。

なんとビックリ……CoCの容量の軽さ……ヤバい……。

・世界観→現代日本

これで容量「0.5」ぐらいです。「あ、現代日本なんだ」という再認識程度です。

普段生活をしている常識をそのまま利用することができます。

・キャラクター→現代日本人

すごい、特にすごい超能力とか魔法とか持ってない。技能を見れば大体目にしたことのある単語ばかり。既存の知識から大幅に外れない。想像がつく。幸運、とか目星、とかちょっと説明すれば意味わかる。いっぱいあるし、正気度とか、CONとか説明するから容量「5」ぐらいは食うかな? ぐらい。

・ルール→激軽

「サイコロ二つ振って、書いてる数字より低かったら成功」超簡単。

個人的にCoCの軽さを感じるポイントは「目標値が常に固定」なところかなと思います。

基礎値とかいう概念もないし。あるのは「ただ固定の目標値」

でも十面ダイスとか見たことないから「10」ぐらいは食うかもしれない。

TRPGの概念を理解することに加えて、覚えなければならないことがなんと「15.5」ぐらいで済みました……すごいね……! 収まったよ……!

それと、もう一つポイントがあって。CoCをプレイするにあたって、PLは「クトゥルフ神話のことを知らなくても良い」というのはかなり大きな特徴だと思います。

普通、そのシステムを特徴づけるポイントは知っておかないといけないわけですが。

(SW2.0なら「君たちは冒険者で、冒険者とは〜〜。蛮族が敵で」ダブルクロスなら「君たちはレネゲイトウィルスに感染して超人的な力を手に入れて〜〜」など)

なんと、知らなくてもプレイできる。一番最初にインストールする必要がない。

そもそものコンセプトとして「日常を送っていたはずなのに、宇宙的恐怖に出くわし超常現象に巻き込まれる」。PCは普通、宇宙的恐怖な神話生物の存在を知らないわけです。むしろ、PLは知らないほうが、よりリアルにPCに心情を投影できるとも言えます。

そしてPCと同じように、セッションの途中で魔道書を手にするなどして、その恐ろしさの一部を明らかになっていき、全貌が掴めないままでも良く……。

つまり、プレイしながら途中でダウンロードすればよく、ストリーミング配信ですよ、これは。最初に落とさなくても再生できるんです!

これがCoCが流行った最大の要因だと思います。

単純に考えて

「TRPGを知っているから、新しいシステムに手を出す人」と「TRPGを知らないから始めよう」と思う二種類の人間がいたとき

情報量が多い人は、基本的に前者しか獲得できませんが、CoCは前者も後者も獲得できるわけですよね。

リプレイ動画で初めてTRPGに触れた人がCoCであれば、負荷なく入り込んで楽しむことができます。

楽しんだ以上、ルールブックを買ってみることでしょう。この本の面白さを理解できたのですから。

しかし、他のシステムだと確実にキャパオーバーが発生するわけです。

ですので、仮にCoCが「1920年代アメリカ」しかプレイできないシステムなら確実に流行っていなかったでしょう。上の利点を喰い潰すので。

逆に、ここまでインストール量が少ないシステムが他にあるのか知りたいです。まあ、あればCoCの代わりに台頭していたか接戦を繰り広げるかしていたでしょうから、無いでしょう。

強いて言えば、インセイン……でしょうか。しかし、CoCと比べるとやはり負荷が高いですね。

これが最大の要因、と言った通り、これ以外にも流行ったパーツはあるわけですが……。

②以降はまた、別の記事でご説明したいと思います。

ここまで読んでくださってありがとうございます! 「そうじゃないだろ」とか思った人は是非、Twitterとかで発言して議論してみてください!

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コメント

  1. 誰か氏 より:

    こうして見るとクトゥルフ神話TRPGが流行ったのではなく
    クトゥルフ神話TRPGぽい別の何かが流行ったて分かるな

    本来、CoCは1920sアメリカのみが世界観であり舞台であるがそれがサプリや改訂のお陰で、現在日本で発売されている6版においては1890sアメリカ、1920sアメリカ、1990sアメリカを可能とした
    現代日本なんてのはサプリが必要だ

    キャラクターは現代日本人じゃなくて探索者、技能が目にした事ある単語でも内容は明らかに単語とは別の事も
    超能力はサプリだけど、魔法に至ってはルルブでも持てる

    ルールは他のTRPGと比べ昔のTRPGである為、決して少なくないし部類としては多い
    ただ、単にBRPの%ダイスがわかり易いだけ

    PLはクトゥルフ神話について知っている必要がある
    ルルブの巻頭に態々小説載せてまでクトゥルフ神話を教えてるTRPGだし、そもそもCoCはクトゥルフ神話のファンゲームとしてなりたっている

  2. 匿名 より:

    「本来、CoCは1920sアメリカのみが世界観であり舞台であるがそれがサプリや改訂のお陰で、現在日本で発売されている6版においては1890sアメリカ、1920sアメリカ、1990sアメリカを可能とした」

    中世欧州「せやな」
    古代ローマ「せやな」

  3. 青桐 より:

    お初にお目にかかります、TRPG初心者です。
    非常に説得力のある分析だと感じました。
    というのも私自身、はじめてプレイしたTRPGが友人の創ったオリジナルで、
    スキルがひとつしかない鵺鏡のような、非常にシンプルでインストール量の少ないシステムだったのです。

    それがとても楽しかったので、アリアンロッド2Eに誘われた際OKしたのですが
    「覚えるべき前提」の世界設定、ルール、基本戦術、構築の仕方、専門用語の数々…に
    「これ全部修得しないとスタートラインにすら立てないの?」とかなり苦労したのを覚えています。
    「かなりメジャーな部類に入るはずのシステムで、この難解さ不親切さは導線としてアカンだろう」
    と、素人ながら(素人ゆえに?)思いました。勿論、向き不向きはあるのでしょうけれど…

    格闘ゲームやSTGのような、「必修・前提条件の壁が年々高まり、結果的に間口が狭まる事で新規が入りにくくなる」道を歩んでしまうのではないかと危惧しています。
    『スマブラ』や『新パルテナ』のような、
    初心者から上級者までカバーできる遊びがあれば面白いのではないかな、とも。
    素人考えですが。

    そのような経緯があるので、今回の分析には
    とても納得がいきました。
    何か新しい遊びに気づけそうな気がします。
    ありがとうございました。