一緒にTRPGを作りましょうコンテスト 共通講評①

こんにちは、グループSGRです。

今回、一緒にTRPGを作りましょうコンテストの開催にあたり、講評もフィードバックに用意していました。その中で、共通した項目や、自分の中の当選基準を先に発表させていただきます。

【共通講評①】

作品作るときの基準として「コンセプト」が明確であることが重要であるとしていますが。

今回はそこを少し掘り下げて、判断しました。

基準としては「何ができる」システムで「何をする」システムであるかが明確であることを重要視しました。

「何ができる」というのは比較的わかりやすい要素ですね。

拙著ピカレスクロマンTRPGであれば「悪党になれる」

SW2.0であれば「ファンタジー世界で冒険者になれる」

ダブルクロスであれば「現代世界で異能力者になれる」

といった部分です。

「何をする」というのはその世界でのPCは何をするのかという話で

拙著であれば「VIPという大口のカモを食い潰す」ゲームになります。

世界を救う、であったり大切な人、あるいは日常を守る、でも良いのですが

いわゆる、冒険者になったあと、何をして遊ぶの? という部分ですね。

今回の応募作では「何ができる」という部分は明確でも「何をする」という部分が曖昧なケースが多かったと感じました。

その世界で、「何でもしていいよ」というのはユーザーへ投げっぱなしで、確かに自由度は高いのですが、ここが曖昧なままであると、遊び辛くなってしまいます。

おそらく、TRPGをプレイしている方であれば、一度は経験のある「何をしていいかわからない」といったシナリオに遭遇したことはないでしょうか。

シティアドベンチャーなどで、何でもしていいよ、と放り出されて困惑してしまうというケースですね。

できることは複数あっていいのですが、想定する太い道筋を提示できていないと、最初の行き先につまってしまいます。そうなると、一見すると自由度が高くてユーザー満足度が高いように見えますが、その実ユーザーに優しくない状態になっているんですね。

ここがしっかりしていればなあ、という作品が少なくありませんでした。

市販の作品で、投げっぱなしなモノもありますが、同人作品ではここを追求する必要が特にあると考えていました。

このように、なぜユーザーの遊びやすさを追求しなくてはならないか、というには理由があります。

今から、作品を少し、果物にたとえてみます。

この世の中には、たくさんの果物が売っています。お金は有限ですし、時間も限られていますから

どれもこれも食べるというわけにはいけません。では、果物を食べたい、と思った時に何を基準にして選ぶでしょうか。

ポイントになるのは、「食べやすさ」と「美味しさ」とです。

極端な例で言えば

「愛媛産の著名な農家の蜜柑」

「知らない人がくれた、なんか剥くのにやたら手間のかかるネーブルオレンジのようなもの」

を提示された時、どちらかを食べるとすれば、どちらを食べるでしょうか。

まあ、「愛媛産の著名な農家の蜜柑」ですよね。

剥くのも簡単に品種改良されていますし、愛媛産の著名な農家の方の作ったものなら、美味しいだろうという安心感があります。

対して、知らない人のなんて、剥くのが手間な上に、やっと剥いた先に美味しいものがあるかどうかもわからない訳です。こんなものは、一部の物好き以外手に取りません。

味は食べてみるまでわからないので、基本的にはブランド力で判断します。

TRPGは拘束時間の長い遊びなので、気軽に味見というのが難しく

労力をかけた末に面白さがわかります。ここがネックではあるのですが、もしくは人からの口コミです。

TRPGの例で言えば、「グループSNEが出してるから」「FEARだから」「冒険企画局の新作だから」という基準で買う人は多いでしょう。これは、安全なところから出ているため、ある程度の面白さ(美味しさ)が担保されているだろう、という思いがありますし、単純にその人の作るものなら自分の口に合うからという経験則から選んでいることもあるでしょう。

対して、同人作品は基本的に無名です。何度も作品を出している人ならまだしも、弊サークルは知名度が著しく高いわけでもありませんし、応募してくださった方も、企業と比べて実績があるわけではないでしょう。

とすれば、仮に良い味を生み出せても、食べてすらもらえないわけです。

食べてもらえて、ようやく美味しいかどうかの判断がなされ、口コミなども発生するわけです。

「剥くのが大変だけど、愛媛産の著名な農家のネーブルオレンジ」であれば、多少手間でも「きっと美味しいだろうし、頑張って剥いてみ食べてみるか」と思わせることができる可能性があります。

無名なものであれば、これだけ市場に果物が出回っている中で、わざわざそれを手にとって食べてみようと思う方は少数です。

そして、TPRGは一部の少数を相手にするだけでは、遊べないゲームです。多くの人が遊ばないと卓を立てることもままなりません。

であれば、手にとってもらうための工夫、つまり食べやすさ(=遊びやすさ)が必要なんですね。

「愛媛産の略だが、剥くのが面倒なオレンジ」

「無名だが、とても剥きやすくすぐ食べれるオレンジ」

のとき、手にとってもらえる可能性が発生します。

その工夫の一つに「何ができて、何をする」が明確であることは重要なファクターであると判断しました。

別の言い方で言えば「面白さ > 煩雑さ」が重要で「面白さ < 煩雑さ」 になった時点で人は遊ぶのを辞めます。剥きにくシステムです。

作る以上、剥かなければならない皮はどうしても発生しますから、部分的に煩雑なところが生じるのはやむを得ませんが

「おいしくなるから!」といってあれもこれも付け足して、皮を分厚くしてはいけないと考えています。

今回、上記を踏まえた上で選考した結果、2作品の受賞という運びとなりました。

現在、個別に講評を用意しているため、そちらが完成次第、受賞作の発表へと移りたいと思います。

講評を書くにつれて、また共通点が出てくれば②も書けたらなと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする